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最近,週刊現代で「この薬を飲んではいけない」というシリーズものが続いているようです.患者さんから相談を受けることがあり,週刊誌を読んでみました.薬の副作用を大げさに書くことで,飲んではいけないという話になっているようです.飲まないほうがよいという論点であれば,病気の患者さんはみんなどうすればよいのかと,逆に聞きたくなります.糖尿病や高血圧や喘息や脂質異常症の患者さんに,それではどのような治療がよいのかを書いて欲しいと思います.
薬は飲むことで,程度の差こそあれ,副作用が出る危険性はあります.それはどの薬剤にもあるでしょう.しかし,生活習慣を注意するだけでは不十分であり,無治療のまま放置していた場合,将来的に様々な病気の合併や患者さんのQOL低下,時には命の危険が危惧される場合は,薬剤を投与することになります.必要最低限の薬を,副作用の危険性も考慮しながら投与するのが医者の仕事だと思っております.
最新号の記事をみますと,気管支喘息で吸入ステロイドを使用すると止められなくなる,またステロイド使用を中止するにもリスクがあるという表現ですが,これは吸入ステロイドと経口ステロイドについて悪意を持って混同させて記載しているとしか思えません.吸入ステロイドは適切に使用していれば,その危険性はほとんど無視できるレベルと考えています.吸入ステロイドであればキュバールが比較的安全と述べていますが,逆にその根拠もわかりません.出て来る医師がどんな医師かはわかりませんが,体のゆがみや筋肉の緊張が原因で喘息症状が出現しており,ラジオ体操や水泳を勧めておられます.しかし,同時にそれらの運動による体質改善で徐々に薬の量を減らしていくことができると述べられており,つまりは薬を出しているようです.
既に述べたように,医師は患者さんの状態を正しく評価し,薬が必要な患者さんに対しては,できるだけ少ない薬で,またより安全性の高い薬を選ぶことを常に意識しながら処方すべきと考えております.しかし,喘息のように息苦しいという自覚症状がある場合は薬に納得してもらえるでしょうが,高血圧や糖尿病,脂質異常症の場合は痛くもかゆくもないわけで,薬を飲みたくない患者さんに,将来の危険性を伝えて飲んでもらうわけですが,週刊誌に,飲むと筋肉がとける,めまいや脳梗塞を起こすことがあるので飲まない方がよいなどと無責任なことを書かれると,腹が立ちます.怒鳴りはしませんが,「週刊現代は副作用のことを過剰に書いているだけで,あなたは飲まなければなりません.副作用が出るようだったら教えて下さい」と説明し,最後は「週刊誌は売れればいいだけのものです.そこに書いてあることをすべて信用しない方がいいですよ.」と伝えております.週刊誌に書いてあるようなひどい医者もいるのかもしれませんが,薬を全面的に否定しているように受け取られる記事を書く週刊誌も困ったものです.
週刊誌の編集者の方は、今度は道を歩くと交通事故で死ぬことがあるということで,「道を歩いてはいけない」というシリーズ物を出されてはいかがでしょうか.
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2016.09.02 Fri l 未分類 l コメント (0) l top

スギ花粉症の舌下免疫療法(シダトレン)を本院でも開始します.以前から出ていましたが,その効果がはっきりしなかったため当院では控えておりましたが,その間に効果や副反応についてのデータが蓄積されてきております.治療による効果が約8割にみられること,副反応として口のかゆみ等が2%程度みられるものの,中止に至るような重い副反応はなさそうなこと,アナフィラキシーショックをきたした症例は日本ではないことから導入を決めました.
 薬液を2分間舌下にとどめたのち,飲むという方法を毎日実施していただきます.スギ花粉が終了した時期から開始します.効果は1年目より2年目強く出てくるようですので効果があるかどうかを決めるには,2年間は続けてみるほうがよいようです.
 3年から4年ほど続けた場合は,終了しても効果が7年ほど持続するとのこと.そして再度花粉症の症状が出るようになったときから再開すれば1年間で効果が戻るとの報告もあります.
 スギ花粉症がひどく,内服薬や点鼻薬で効果が不十分な方や薬により眠気等がつらい方は試す価値がありそうです.
 費用は保険適応になりますので,シダトレン治療だけであれば月2千円弱程度のようです. 希望する方はお申し出ください.
2016.07.02 Sat l 未分類 l コメント (0) l top
花粉症も一段落してきていますが,いまだにインフルエンザ(B型)の患者さんが出ています.倦怠感や関節痛が強い発熱の場合,いまだにインフルエンザの可能性も考える必要がありそうです.
3月に豊島区医師会のシンポジウムで風邪症候群の治療の話をしました.そのなかで抗生剤はできるだけ控えることの必要性を話したところ,患者さんから抗生剤を希望されることがあるのでという意見もありました.抗生剤は新しい薬剤の開発は進んでおらず,現在の抗生剤を大切に使う必要があります.安易な使用により,耐性菌が出てしまうと,使用できる抗生剤がなくなる危険性があります.
みなさん,風邪はウイルス感染です.風邪の場合はどんなに熱があっても抗生剤は不要です.むやみに抗生剤を要求しないようにしてください.実際には医療側で安易に出している場合もありそうですが...
2016.04.18 Mon l 未分類 l コメント (0) l top
インフルエンザが地元(駒込)の小学校を中心に大流行しております。今年の特徴はA型とB型がともに流行している点です。家庭内で同時期にA型に感染した方とB型に感染した方が出ているお宅もあり、家庭内で感染対策に注意していただくよう話しました。発熱はあてにならず、いったん解熱したのちに発熱し、検査でB型インフルエンザであった方など、様々なパターンがみられます。ただ、だるさや倦怠感が強いという訴えは共通しているようですので、そのような症状がある方は医療機関を受診した方がよいかもしれません。とくに高齢者や幼児がいる家庭ではご注意ください。
受付
受付の手ぬぐい柄がおひなさまモードになっております。手ぬぐいは京都の永楽屋のものを使用しております。
2016.02.27 Sat l 未分類 l コメント (0) l top
クリニック内に患者さん向けに睡眠時無呼吸を説明するお知らせをつくりました。
最近CPAPを導入された重症の患者さんたちでも睡眠時の無呼吸を自覚していない人が多いことに驚かされます。
いびきがひどく、日中の眠気が強い方は、睡眠時の呼吸状態を評価されてはいかがでしょうか。


あなたも睡眠時無呼吸症候群ではありませんか.pdf
2014.07.19 Sat l 未分類 l コメント (0) l top